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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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亡国のイージス


c0046869_13552425.jpgAimless AEGIS

2005年、日本
監督: 阪本順治
原作: 福井晴敏
出演: 真田広之、寺尾聰、中井貴一
    佐藤浩市、勝地涼、チェ・ミンソ



生きろ 絶対に生きろ――


豪華キャストと壮大なスケール感が話題を呼んだ大作映画「亡国のイージス」。
良くも悪くも「原作を読んでいるか否か」で評価が大きく変わる作品だと感じました。原作を読了した方にとっては、どこまで原作に囚われずに映画そのものを楽しむことが出来るか・・・最終的には、ここが評価の分かれ目になってくると思われます。
総評:★★★☆3.5点

まず、あの長大な物語を2時間枠にまとめることからして、どこかで無理が生じることは想定の範囲内だったものの、割愛されたエピソードの多さには正直驚きを隠せませんでした。
露骨な設定の変更にも馴染めないものがありましたしね。
主な変更例を挙げれば、「宮津氏が“艦長”ではなく“副長”である」、「GUSOH(グソー)が実は○○で、真相は○○○○の陰謀というオチを全面的カット」などです。
特に後者を無きことにしたのはちょっと痛い。
原作を読まれた方ならご存知でしょうけど、「GUSOHの真実」については「亡国のイージス」における最重要極秘事項、要するに究極の「隠し玉」なのですよ。こんなオイシイ設定を、大胆にもいつの段階で切り捨てたのでしょう。原作ラブの小夏としては、この点ひじょ~にショックです。
あるいは、原作では許せても映画化にあたって「ヤバイ」との判断でも働いたんですかねぇ。
下手な邪推はいけませんが、「国家間の謀略」が絡むだけに何気に政治的な匂いもぷんぷんします。

あと、人間関係の描き込みも全体的に淡白に感じられました。
もちろん、登場人物一人一人のバックグラウンドの描写まで求めてはいませんが、個人的には「如月行の過去」「ヨンファと女性工作員ジョンヒの過去」、せめてこの2点だけはもう少し深く掘り下げて欲しかったですね。これらは、ジョンヒが言葉を発しない謎や、彼女が如月行に執着する理由に微妙にリンクする部分ですし、それに付随する形で結果的に「ヨンファの行動理念」が見えてくる重要なエピソードだと思うので。
結局、その辺の描写が不明瞭だったことで、彼らを駆り立てる動機に説得力が感じられず、結果的に「いそかぜ」奪取事件の全貌が曖昧なまま収束してしまった・・・・・と、個人的にそんな印象が残ってしまったことはとても残念でした。

ところで、ずっと文句ばかり言ってると思われそうですが(いや、実際言ってるんだけど)、誤解なきよう、日本映画のエンターテイメント作品として見れば、十分に及第点を与えられるレベルに仕上がっていることは間違いありません。
「いそかぜ」が対艦ミサイルで攻撃を仕掛けるシーンなんて、マジ鳥肌モノでしたし(あれはCGですか?)、F-2支援戦闘機が飛行する映像はめちゃくちゃカッコ良かった!今まで邦画では実現されなかった抜群の臨場感を味わえること必至です。これだけは視覚に訴える映像世界ならではの迫力ですものねぇ。
豪華キャスト陣にも大満足。映画を観るまでは不満だった真田@先任伍長が意外にも違和感なく、いや寧ろ好感度アップしちゃった自分にビックリです(笑)。
もちろんビジュアル的には全く違うんだけど、先任伍長の「暑っ苦しさ」は120%見事に伝わって来ましたから(笑)。真田さん、貴方は本当にステキな役者だわ・・・。
ただ、ここでも残念なことがひとつ。先任伍長から如月行へのメッセージ「生き甲斐」のエピソードが全て割愛されちゃっているではないか!これがないと先任伍長のあの名セリフ、「生きろ。絶対に生きろ。」が全然活きてこないでしょ~よ~!

あ、また文句言っちゃった(汗)。
でも、全ては原作を心から愛するがゆえなのです。だから許して。
(2005.8.19 劇場鑑賞)

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by marienkind | 2005-08-20 14:35 | 映画評