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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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The Lady, or the Tiger?


c0046869_22115782.jpg皆さまは、「女か虎か」というミステリ短編をご存知でしょうか。謎に満ちたラストがとても魅力的なこの物語、当時、友人たちと「あれって究極の選択だよねー!」と盛り上がったものです。
そして先日のこと。私の敬愛する作家、北村薫の「朝霧」を再読していた際、「女か虎か」の粗筋に触れる一節を見つけたのです。以前「朝霧」を読んだのも随分と前のことで、既に忘却の彼方だったので、これは嬉しい発見でした。いい機会ですから、ここで皆さまにご紹介したいと思います。


「女か虎か」(フランク.R.スコットクン著)
昔、ある国でのこと。そこでは、裁判の代わりに≪女か虎か≫という方法が採られていた。被告は闘技場に引き出される。目の前には、扉が二つある。彼はどちらかを開けねばならない。片方には<虎>、片方には<美女>が待っている。審判は運命に任される。<虎>を選べばどうなるかは自明だ。
別の扉を選んだら救われる。神により無実という審判が下されたことになる。死どころか、逆に<美女>を得ることが出来るのだ。ただし、否応なしに彼女と結婚しなくてはならない。
ある美青年が、この国の王女と恋におちる。王族との恋愛はタブーである。青年は、裁きの場に引き出された。そこで、臨席する王女を見る。彼女なら、どちらの扉が「正解」かを知っているはずだ。事実、王女は知っていた。どちらが<美女>かを。また、その<美女>が前々から自分の愛する男に意味ありげな目を 向けていた娘だ、ということも。
男のすがりつく視線に、王女は一方の扉を示した。男は開けた。
(北村薫「朝霧」より引用)



なんと!物語はここで終わっちゃうんですね。
作者は何一つとして答えを提示してくれません。つまり、結末は読者の想像に委ねているわけです。「女か虎か」が、ミステリ短編の傑作と言われる所以でしょう。
そして、このラストこそが物語最大のキモになるわけです。
愛する男に対して王女が指し示した扉は<女>か、それとも<虎>か。
さて、皆さまはどうお考えになりますか?

ちなみに私は・・・・・・。
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by marienkind | 2005-09-08 22:14 | 書評