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ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年、米)


原題: HARRY POTTER AND THE GOBLET OF FIREハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年、米)_c0046869_115035.jpg
監督: マイク・ニューウェル
出演: ダニエル・ラドクリフ
    ルパート・グリント
    エマ・ワトソン
    マイケル・ガンボン
    ゲイリー・オールドマン
    アラン・リックマン
    レイフ・ファインズ他



「ハリーポッター」シリーズ4作目の映画化。シリーズ1、2を争うほどの長大なストーリーをどのようにして2時間半の枠に収めるものか興味津々、正直、期待と不安が入り混じった状態で観て参りました。
今回采配を振るったのは新監督マイク・ニューウェル氏。さて、その結果や如何に?
総評:★★★3.0点

以下、露骨にネタバレ含みます。
今回は隠しませんので、未見の方はご注意を。

オープニングは、「リドルの館」にてダークに幕を開けます。暖炉の灯りが洩れ光る部屋で、怪しげな男たち&大蛇ナギニが何やら密談しているらしき様子。
ワタクシ、まずこのリドル屋敷の描写に思わず小躍りしそうになりました。なんと原作を読んでイメージしていた通りだったのです。それこそ間取りまで。こういうモノは活字では限界があるんですね。これぞ映像化の醍醐味とも言えますか。
さて、ここで場面は一転、ハリーが悪夢から目覚めるシーンへ。
ここの繋がり方はとても巧かったです。この場面は、次回作『不死鳥の騎士団』への布石になる重要なシーンでもありますから要チェックです。
その後、今作の目玉とも言えるクィデッチ・ワールドカップ開会式の迫力映像、そして突然のデス・イーター襲撃と怒涛の展開が続き、否が応でも期待感が煽られます。
映画では、原作の冗長になりがちな冒頭部分を思い切って切り捨てたようですが、結果としてテンポよくまとめられていたのではないでしょうか。
しかし、これはあくまで序盤部分に限って。
それ以降がちょい問題あり。次からはやや辛口評です。ご了承を。

『炎のゴブレット』の見どころは、何といっても「ヴォルデモート復活」です。
そして、復活プラン実現のために、ヴォルデモートは自身の下僕を使い大掛かりな罠を仕掛けちゃうんですねー。ハリーを我がもとに導くその為だけに・・・・・。
残念ながら、映画ではこの部分の描き込みがひじょーに曖昧。だから、結局何を言わんとしているのかいまいちストレートに伝わってこないのだと思います。
ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005年、米)_c0046869_1154023.jpg
例えば今作では、スネイプ(左から2番目)やカルカロフ(左端)が、かつてヴォルデモートの下僕デス・イーターとして暗躍していた事実が明るみになります。
そのことから当然生じる疑念。ひょっとして奴らは現在もヴォルデモートに加担してるんじゃないの?ハリーの敵なの?それとも味方なの?
要は、誰も彼もがキナ臭いってわけで、これぞまさしく『炎のゴブレット』のキモ。
原作では、そういった不信感の煽り方が実に巧妙で、真実の暴露がなされるラストに至っては鳥肌モノの衝撃があったはずなのに、映画ではそのへんが殆ど描かれていないんですよね。
単に、トーナメント戦を勝ち進むハリーの冒険譚にしか見えない。これでは肝心なところを見失っちゃうと思うんだけどなぁ。

ってことで結論。
シリーズの転換期を迎える重要なエピソードの仕上がり具合としては、やはり物足りなさが残ったと言わざるを得ないかな。かなり説明不足が多かったしね。
もちろん、あの膨大なシナリオを網羅するなんて絶対不可能だってことは理解しているし、「原作と映画は別」と割り切った鑑賞を心掛けてるつもりだったけど、やっぱりダメなのよね。
こればっかりは原作読みの性(さが)ですな。困ったもんだ(笑)。
(2005.12.2 劇場鑑賞)


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by marienkind | 2005-12-05 20:11 | 映画評