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陽気なギャングが地球を回す


著者:伊坂幸太郎
出版:祥伝社文庫


c0046869_1675170.jpg二人組みの銀行強盗はあまり好ましくない。二人で顔を突き合わせていれば、いずれどちらかが癇癪を起こすに決まっている。縁起も悪い。例えば、ブッチとサンダンスは銃を持った保安官たちに包囲されたし、トムとジェリーは仲が良くても喧嘩する。
三人組はそれに比べれば悪くない。三本の矢。文殊の知恵。悪くないが、最適でもない。三角形は安定しているが、逆さにするとアンバランスだ。それに、三人乗りの車はあまり見かけない。逃走車に三人乗るのも四人乗るのも同じなら四人のほうが良い。五人だと窮屈だ。という訳で銀行強盗は四人いる。(本書序文より)



読んでいてひじょ~に楽しい本でした。
本書は、『陽気なギャングが地球を回す』のタイトル通り、陽気で憎めないギャングたちが大活躍する脱力系ハードボイルドです。
とにかく肩のチカラを抜いてサクッと読むのがコツ。
頭を空っぽにして思いっきり笑うべし。そしてあっと驚くべし。
総評:★★★★☆4.5点

主人公は、嘘を見抜く名人「成瀬」、スリの天才「久遠」、演説の達人「響野」、正確な体内時計を持つ「雪子」の4人。彼らの裏の顔は、なんと銀行強盗団です。
銀行襲撃でゲットした4千万を横取りされるという不運に見舞われたトホホな彼ら。奪還に動き出した彼らを待ち構える二転三転のアクシデント。果たして彼らが4千万を取り戻せる日は来るのか。そして最後に笑うのは誰なのか――。

何気にどこぞで聞いたような話ですが。(笑)
でも、そこのところは今をときめくミステリ作家伊坂幸太郎。
単なるドタバタミステリと思わせといて、そこかしこに満遍なく「伏線」を仕込んでいたりするから抜け目ない。それも悔しいほど完璧なのです。
とにかく伊坂作品を読むたび感心するのは、無駄と思えるセリフや描写が一切ないってこと。アホでどーでも良さそうな会話の隅々にまでキチンと意味があって、必ずどこかで活かされて来るのだから侮れません。
伊坂ファンにとっては周知のことかもしれませんが、彼の作品は伏線の収束タイミングが絶妙で実に気持ちいいッスね。心底惚れ惚れしちゃいます。

とりあえず、アニメ『ルパン三世』や映画『スティング』のような、「してやったり!」「してやられたり!」の展開がお好きな方であれば、絶対楽しめること請け合いです。
ワタクシ如きがここで下手に語るよりも、まずは一読されるが宜しい。
超~オススメですぞ♪
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by marienkind | 2006-02-23 20:12 | 書評