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ナイロビの蜂 (2005年、英)


ナイロビの蜂 (2005年、英)_c0046869_2150165.jpg原題: THE CONSTANT GARDENER
監督: フェルナンド・メイレレス
原作: ジョン・ル・カレ
脚本: ジェフリー・ケイン
出演: レイフ・ファインズ
    レイチェル・ワイズ
    ユベール・クンデ 
    ダニー・ヒューストン
    ビル・ナイ 
    ピート・ポスルスウェイト


  
 ――地の果てで、
    やっと君に帰る。――



フェルナンド・メイレレス監督作品、『ナイロビの蜂』を試写会にて鑑賞。

舞台はアフリカ、ケニアのナイロビ。
イギリス外務省一等書記官ジャスティン(レイフ・ファインズ)の妻テッサ(レイチェル・ワイズ)が救援活動中、ケニアのトゥルカナ湖畔で何者かに殺害される。妻の死に陰謀の匂いを嗅ぎ取ったジャスティンは、ひとり事件の調査に乗り出すのだったが・・・。

国家や企業の陰謀を題材とした作品といえば、最近では『ミュンヘン』や『シリアナ』などが思い浮かびますが、今回扱ってるテーマも相当重いです。
本作では、外務省官僚と大手薬品メーカーの癒着問題を軸に、アフリカで蔓延する疫病や貧困層の過酷な現状、そして人道的支援の限界などがリアルに描き出されています。そこに浮かび上がるのは、強者のエゴの犠牲となる弱者の姿でした。
そんな弱者のため精力的に救援活動に励んでいたテッサが、何故殺害されるに至ったのか。ジャスティンは「妻の死」の真相に辿り着くことができるのか。
現在と過去の回想シーンとを交互に織り交ぜながら、テッサの隠された真実、そして事件の全容が次第に明らかになっていく過程は実に見応えがあります。
サスペンスフルな展開をふんだんに盛り込んだ極上のラブストーリーを堪能させて頂きましたという感じですね。お腹イッパイ、大満足なり。
ナイロビの蜂 (2005年、英)_c0046869_21505013.jpg
(C)2005 Focus Features, LLC All rights reserved.

主要キャスト陣が私好みだったことも嬉しい要素でした。
まずは、主人公のジャスティンを演じたレイフ・ファインズ。いかにも律儀で礼儀正しそうな彼にこの役どころはドンピシャでした。常に哀しみを秘め湛えたような表情もいいですね。悲壮感漂ってると言い換えることもできますか。(笑)
そして、文句なしに絶賛したいのが正義感に燃え活力溢れる妻テッサを演じたレイチェル・ワイズです。劇中、突然どどんと登場した彼女の妊婦ヌードには驚愕しましたが、オスカー授賞式でリアル妊婦だったわけだから・・・・えーっと、えーっと、んん?
ま、まぁ、いろんな意味で納得のオスカーってわけですな。(^^;
さらに脇を固める役者陣も、ダニー・ヒューストン、ビル・ナイ、そしてピート・ポスルスウェイトとなかなか濃い面々。本音としては、ビル・ナイにもう少しスポットを当てて欲しかったかな。あくまで個人的趣味として。
ナイロビの蜂 (2005年、英)_c0046869_21511958.jpg
(C)2005 Focus Features, LLC All rights reserved.

一途に愛を貫いた男の心象風景を丹念に描いた傑作『ナイロビの蜂』。
心の旅路の終着点でジャスティンが見つけたものとは果たして・・・・?
これは必見の一本です。ぜひ映画館でご覧下さいませ。
(2006年5月12日 試写会鑑賞)

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by marienkind | 2006-05-14 00:03 | 映画評