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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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ダ・ヴィンチ・コード (2006年、米)


c0046869_9443820.jpg原題: THE DA VINCI CODE
監督: ロン・ハワード
原作: ダン・ブラウン 
音楽: ハンス・ジマー
出演: トム・ハンクス
    オドレイ・トトゥ
    イアン・マッケラン
    アルフレッド・モリナ 
    ジャン・レノ
    ポール・ベタニー
    ユルゲン・プロフノウ 
    エチエンヌ・シコ 
    ジャン=ピエール・マリエール



話題沸騰の映画、『ダ・ヴィンチ・コード』を観て参りました。
公開前から、配役のイメージが違い過ぎるとか(主人公の髪型が変だとか)、カンヌ映画祭で失笑を買ったとか、果ては「駄作」だとか、とにかく批判的な声ばかりが漏れ聞こえてきた本作。
一応、私も心して鑑賞に臨みました。さて、感想は・・・・・。

まず、鑑賞するにあたり気になったのは、やはり公開前から悪評飛び交っていたキャスティングについてでしたが、これは杞憂に終わりました。私にとっては嬉しい誤算となったわけです。
ロバート・ラングドンを演じたトム・ハンクスは、スッキリしたフェイスラインで若々しさを強調したのが功を奏したのか、違和感なく受け入れる事ができましたし、ソフィー役のオドレイ・トトゥも、キャリアを積んだ暗号解読官としてのパンチの弱さは否定できませんでしたが、まずまずのライン。
原作でいいムードだった恋愛要素を、映画では曖昧にした点も正解だったと思います。
その個性をイマイチ活かせないまま退場してしまったのは、実際にベズ・ファーシュのモデルとなったジャン・レノです。存在感は大きかったものの如何せん役どころとしての影が薄すぎ。
「別にジャン・レノじゃなくとも・・・」と、ふと脳裏を過ぎったのは私だけでしょうか。

c0046869_9445995.jpgc0046869_9451393.jpgそんな中、見応えたっぷりの演技を披露してくれたのは、イアン・マッケランとポール・ベタニーです。彼らについては、もはや文句のつけようがございません。飄々とした風貌と曲者然とした側面を併せ持つイアン・マッケランは、原作イメージとはまるで異なるリー・ティービング像を確立したと言えるのではないでしょうか。さすがです!
一方、ポール・ベタニー演じる修道士シラスの背筋が粟立つほどの狂気と言ったら! 映画では、彼の不幸な生い立ちについて語られることはほとんどありませんでしたが、悲しいまでの信仰心は心に深く焼き付けられました。やっぱり巧いわー。この二人。

分かりきっていることですが、ベストセラー小説の映画化は極めて難しいと言われています。
原作に忠実であることを心掛ければどこかで無理が生じるし、削除すれば原作ファンからブーイングの嵐。しかし本作に限っては、頭でイメージしたシーンが具体的にビジュアル化されたことに素直に喜びと興奮を感じたし、活字の限界を補って余りある映像の威力を感じました。
これこそが映画の醍醐味ではないでしょうか。
もちろん、原作の長大なストーリーを2時間30分枠にまとめ上げるわけですから、排除された箇所や急ぎ足を余儀なくされたシーンも無きにしも非ずです。
c0046869_9454371.jpg原作では、ラングドンとソフィーが幾つもの暗号を解読しながら、「SAN GREAL(聖杯)」→「SANG REAL(キリストの血脈)」というキーワードに辿り着いてゆく過程こそがキモでしたが、映画ではフィボナッチ数列もアナグラム解読シーンも予想以上にあっさり風味。
事件に至る直接の原因となった、ヴァチカンとアリンガローサ司教の確執や「オプス・デイ」の思惑も語られずじまいでしたから、「聖杯」の謎は一応解けたものの「だから何?」と釈然としない方も多いかもしれません。
そんな方には、やはり原作の一読をお薦めします。キリスト教の歴史的背景や西洋美術、聖書に造詣が深い方であればともかく、映画だけで全てを理解するのは至難の業でしょうし、原作を読むことで、事件の全容についても一歩踏み込んでクリアになるはずです。
何よりも知的好奇心を大いに満足させてくれる一冊であることは間違いありません。

・・・・・ということで、最後にひとつだけ質問させて頂いて宜しいでしょうか。
「いったいどこが “失笑” なのかしら?」(某氏の髪型は除く)
(2006年5月26日 劇場鑑賞)


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by marienkind | 2006-05-29 11:48 | 映画評