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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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ソイレント・グリーン (1973年、米)


c0046869_17592336.jpg原題: SOYLENT GREEN
監督: リチャード・フライシャー
原作: ハリー・ハリソン 「人間がいっぱい」
出演: チャールトン・ヘストン 
    エドワード・G・ロビンソン 
    リー・テイラー=ヤング 
    チャック・コナーズ 
    ジョセフ・コットン
    ブロック・ピータース
    ポーラ・ケリー



今年3月に亡くなられたリチャード・フライシャー監督1973年の作品『ソイレント・グリーン』 を鑑賞。初見はずいぶん昔になりますが、当時はこういった映画に全く耐性がなかったせいか、ひどく怖い思いをしたものです。感性豊かなオコチャマだったもので。えへへ。(笑)

【STORY】
舞台は、極度の人口増加と環境破壊により、深刻な食糧事情を抱える2022年のNY。
ソイレント社は、食料危機打開のため海洋プランクトンを原料とする合成食品「ソイレント・グリーン」を開発、危機は回避できたかに見えた。そんな折、ソイレント社の重役が殺害されるという事件が起こる。14分署のソーン刑事(チャールトン・ヘストン)は、情報屋ソル(エドワード・G・ロビンソン)とともに捜査を開始するが、突然上層部から捜査中止の圧力がかかり・・・。

c0046869_23385388.jpg初見時にはあまり気にならなかったけど、今に思えば主人公のソーン刑事ってかなりの悪徳警官ですよね。
令状無しの家宅捜査なんて序の口、暴力三昧だし他人の家から勝手にモノは持ち出す始末。職権濫用もいいところです。そんでもって、演じるチャールトン・ヘストンが結構な悪人顔だったりするもんだから、いかにも憎々しい主人公の出来上がりって訳なのだ。(笑)
まあ、顔の件はさておき、そんな訳でイマイチ主人公に共感できず終いだったことが、残念と言えば残念だったかな。ヒロイン(リー・テイラー=ヤング)が彼に惹かれていく女心も、唐突というか微妙に分かりにくかったしね。

今回は二度目で結末を知り尽くしていたので、さすがに落ち着いて観れましたけど、それでもソーン刑事によって暴かれるソイレント社の真実の姿と、ソル爺ちゃんが「ホーム」で体験する一連の出来事には、やはり底知れない恐怖を覚えずにはいられませんでした。
特に後者は、少子高齢化が叫ばれる現代と重ね合わせても、充分起こり得る事態なだけに衝撃的です。もし、自分がこの世界に生きる老人だったとして、ソル爺ちゃんと同じ選択をしないとは決して言い切れないだけに、あのシーンには心底恐ろしさを感じました。彼が至福の表情を浮かべていたことで唯一救われたという意見も目にしますけど、それでも、あまりに悲しすぎる選択だな、あれは。
さらに、劇中登場する女性たちの描写も実にショッキングです。
特権階級の人間のみが持ち得る「家具」と称する女たち。彼女たちには「人権」などこれっぽっちもなく、あくまで「備品」として扱われるのみ。女性としても、あんな未来予想図だけは勘弁して貰いたいものだと思いました。

と、なんだか「不快要素」だらけのごとく語っちゃいましたが、映画としては、環境問題や生命倫理など、今まさに現代が抱える深刻な問題を孕んでいる良作だとワタクシ思っております。
30年以上前の作品にもかかわらず、これら諸問題に鋭く言及している点は高く評価して然るべき。個人的には、昨今のハリウッドリメイクラッシュ、どうせリメイクするならこういった問題意識に優れた骨太作品を、と願わんばかりです。

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by marienkind | 2006-06-26 20:29 | 映画評