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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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失われた宇宙の旅2001


c0046869_10253418.jpg著者:アーサー・C・クラーク
訳者:伊藤 典夫
出版:ハヤカワ文庫SF



『失われた~』という表題からもわかるように、本書は映画『2001年宇宙の旅』製作過程にて失われたアーサー・C・クラークの構想案をターゲットにしています。要するに、最終的に映画シナリオとしてお払い箱になったネタってヤツですな。
ただ、クラーク氏自らが書き足した注釈などを丁寧に読み込むと、本書に掲載されたストーリーが本来のオリジナル案だったのだろうということが窺われます。ぶっちゃけ、コチラの方が数段面白かったような気がするのも皮肉なことではありますが。

その他内容としては、製作過程における舞台裏エピソードやクラークの製作日記などを収録。
中でも、キューブリック監督とのやりとりを記したクラーク日記は非常に興味深く読むことができます。
  「スタンリー(キューブリック)から“もうひとつの結末”の提案。
  そういえば、昨夜彼の家に、“彼の準備稿”を置き忘れてきたことに気がつく。
  ――無意識の拒絶か?」

の下りでは思わず苦笑い。いまや偉大な偉大なクラーク氏も、奇人変人(?)キューブリック監督を前にかなりご苦労なさったのではないかしら?と思わせるトホホなエピソードのひとつです。

さらに、ボーマンがラストで赤ん坊になる理由HAL-9000やモノリス誕生秘話などの情報がさりげなく提示されている(かもしれない?)のも嬉しいですし、今では手に入れることが難しいと言われているクラークの短編『前哨』(1950年)が収録されている点もオイシイ要素です。
『前哨』は、映画『2001年宇宙の旅』の叩き台となった作品だそうですが、わずか15ページ足らずの本短編の中に、映画のコンセプト全てが詰まっていると言っても過言じゃないです。これはちょっとした驚きでした。
いずれにせよ「2001年マニア」にとっては必読の書ってことになるのかな。
とりあえず映画版or小説版の熱狂的ファンの方であればかなり楽しめるのではないかと。
フツーの映画ファンであってもそこそこ。全く馴染みのない方にとっては・・・・うー。(^~^;
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by marienkind | 2007-01-13 11:00 | 書評