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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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火の粉


ご近所付き合いあって本当に難しいもんだな、ということを改めて考えさせられてしまった作品でした。マジメな話、今後の人生どれだけ平穏に暮らせるかは、お隣さんにかかっていると言っても過言じゃないです。ヘタな隣人に捕まっちゃったりしたらもう最悪ですからね。
というのは、昔、うちの隣にも居たのですよ、大迷惑なオバチャンが。
パートで働く母の帰宅時間を見計らって押しかけて来ては、毎日毎日飽きもせず他人の悪口を切々訴える人で、まあ、それだけなら何とか我慢も出来たけど、我が家についても他所で有ること無いこと喋りまくられた日にゃ心底ウンザリ。あれには参りました。
今に思えば言動がかなりフツーじゃなかったし、もしかするとあれも病気の一種だったのかもと思えるようになったけど、当時、毎日付き合わされる母のストレスといったら相当なものでしたから、そのオバチャンがある日突然逝ってしまったときは、正直心のどこかでホッとしたような思いもあったり・・・。不謹慎かもしれないけど。
まあ、今や隣人トラブルなんて珍しくもない話ですが、最低限の近隣調査は必要だな、と肝に銘じた出来事ではありましたね。皆さまも、引っ越す際はどうぞ慎重すぎるくらい慎重に。

ということで、ようやく本題の『火の粉』なのだ。

c0046869_1017297.jpg著者: 雫井脩介
出版: 幻冬舎文庫




【あらすじ】
元裁判官・梶間勲の隣家に、二年前に無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の利いた贈り物、老人介護の手伝い・・・。武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心を掴む。
しかし梶間家の周辺で次々と不可解な事件が起こり・・・。(本書裏表紙より)


読んでいて思わず唸ってしまったのは、女性心理の描き方でした。
「介護」と「子育て」に忙殺される日常を通して描かれる女性特有の「報われない思い」とそこから生まれる「心の隙」。自分も、同性として、人として、そういった葛藤についてもある程度想像することは出来ますが、本書に至っては想像レベルを超えてあまりにリアル。男性作家でありながら、ここまで女性心理のツボを見事に表現出来ちゃうとは全くもって恐るべしです。
ただ、唯一不満を挙げるとすれば、読書中のイラつき度が極めて高い点。
これは、正直許容範囲ギリギリでした。オバカな登場人物のせいで(具体的に誰とは言わんけど)、いつもは温厚な小夏さんが(?)もう少しでブチ切れるところでしたもん。
とはいえ、基本的に読む人を選ばず、どなたでもその世界観にすんなり入り込めるサスペンス物なので文句なしにオススメしちゃいます。↑のブチ切れモードだって、結局のところ白熱して怒り狂っちゃうくらい面白かったということですからね。(あれ?説得力ないッスか?)
(2007年4月21日 読了)
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by marienkind | 2007-04-22 21:33 | 書評