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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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トム・ゴードンに恋した少女


皆さんは迷子になったことってあります? 私はあります。それも度々。(汗)
あ、もちろん子供の頃の話ですよ。場所は迷子の定番「デパート」が多かったかな。
3~4歳頃の子供にとってデパートにお出かけってそれだけで心躍るイベントだったし、当時の自分って、一旦興味の対象に出くわすと後先考えず姿をくらますような大迷惑なオコチャマでしたからねぇ。迷子初体験時こそ、それなりにパニクったものの、懲りずに回数重ねてるうち慣れてきたというか、混乱しながらも「どーすりゃ、この危機的状況から脱出できるんだ?」と冷静に現状分析できるようになってきたというか。
えー結局なにが言いたいかっていうと、ギリギリ極限状態に追い込まれれば、わずか3歳児でもそれなりの自己判断が可能だってことですよ。安易な選択をしているようでも、案外ちゃんと物事の本質は見極めて行動してるってこと。子供は大人が考えてる以上に図太い精神を持った生き物かもしれませんですね。ふふ。

と、やたら長い前置きをウダウダ語ったのは、まさに本書がそんな「迷子」のお話だったから。
とはいえ、こちらは私の迷子エピソードとは比べようもないくらいソーゼツでしたけど。

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著者: スティーヴン・キング
訳者: 池田 真紀子
出版: 新潮文庫



水も食料も尽きた。
スズメバチの猛攻、酷い下痢、真っ黒で巨大な蛇、頭部だけ切り取られた鹿の残骸、
そして、そして・・・、
“得体の知れないアレ、特別のアレ”
おしっこがしたかっただけなのに、
ちょっとだけ森に足を踏み入れただけなのに、
どうしてこんなことになっちゃったの?



さて、本書の舞台となった「森」ですが、これは実在の場所だそうです。
その具体的な大きさは、メイン州北部からニューハンプシャー州、さらにはジョージア州北部に至るほどというから驚異のデカさですね。その中を延べ3200キロの遊歩道が走っているそうで、単純計算すりゃニッポン全土より長いじゃん!って話しなんですが、それはさておき。

読んでいて非常に興味を惹かれたのは、主人公が体験するサバイバルのノウハウについて、実に具体的、実践的な視点で描写されていた点です。まとわりつく「虫」との格闘や「食料」の採取方法など、サバイバルの基本から応用に至るまで事細かく記されているので、「物語」という要素抜きにしてもかなり楽しめるのではないかと思います。アウトドア派の必読本?
とりあえず内容については、まっさらな状態で読んで頂いたほうが断然面白いと思うのでサクッと割愛。基本的に、“少女がひたすら森を彷徨う”という、“ただそれだけ”の直球ストーリーなので非常にわかりやすいですし、キングにしては珍しく軽妙な語り口でとんとん進むので中だるみなく一気に読めてグーです。従来のキングファンにはもちろんのこと、キングはちょっと敬遠気味なのよねぇ、という方にも、かなりとっつきやすい一冊ではないでしょうか。
とはいえ、侮ってかかると相当痛い目見ると思うけどね。
そこはやっぱりほら、モダンホラーの帝王S.キングだし。うひ、うひひひひ。
(2007年6月16日読了)
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by marienkind | 2007-06-20 00:09 | 書評