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心に残った映画や読書の記録。日々の備忘録のようなモノ。【ブログ管理人:小夏】


by 小夏
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「臓器農場」 (帚木蓬生)


ここ数日、一気に秋らしい気候になりましたね。つーか、めちゃくちゃ寒いんですが、福島。
温度の変化に激弱なワタクシは、案の定、お風邪を召してしまったのでありました。
あまりキレイな話じゃなくて申し訳ないのだけど、鼻水は一向に止まる気配はないし、喉は激しく痛むわ、微熱のせいで頭はボーっとするわ、挙句の果ては太腿にでっかい世界地図!!
ひえぇぇーー!こ、こ、これ蕁麻疹だよ!!蕁麻疹って最初は蚊に指された程度なのに、次第に湿疹の部分がトランスフォーム(笑)して地図みたいな文様に広がっていくの。
この過程がとにかくキモイ。もし良かったらご覧になります?(うそうそ、もう消えた)
そんなわけで、先週末は完全自宅待機で、ほとんどの時間をお布団の中でもぞもぞ過ごしていたわけですが、こーゆー時って何故だか普段より読書をゆっくりまったり楽しめちゃりするから不思議なんですよねぇ、これが。(ダメじゃん、自分)
で、読んだのがこれ。

c0046869_20474290.jpg『臓器農場』
著者:帚木蓬生
出版:新潮文庫




『臓器農場』というタイトルからして非常にわかりやすいというか、そのまんまの内容と言いますか。フツーに勘のいい方であれば、表紙とタイトルだけである程度イメージできちゃうと思うのですが、いや、これマジメに面白いわー。
ページを捲る手が止まんないものだから、「ええい!風邪なんて何処吹く風さっ!」と開き直って、喉ぜいぜい鼻ズビ状態で根性で読み倒した全600ページ超・・・ズビ。

物語は、「臓器移植」をテーマに特別病棟の奥で秘密裏に行われている恐るべき真実を新米看護師の主人公が暴いて行くという一見どこかで聞いたような話ではあるのですが、なかなかどうして、この帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)さんという作家、タダモノじゃありません。
御本人が本物の精神科医で医療現場を熟知しているだけあって、描写すべてがひじょーーにリアル。そんじょそこいらのサスペンス作家などとは一味も二味も違う。格が違うのだ。
斬新なストーリーや劇画的なノリで読ませてしまうテクニシャン作家が増える中、「文章」の持つパワーだけで読み手を魅了してしまう優れた書き手は数少ないと思うが、帚木氏がまさにそうであった。(長いこと、積読本でごめんよ。^^;)

単なる「医療ミステリー」の枠を超えて、「いのち」とは、人間の尊厳とは、「生と死」の境界はどこにあるのか、なんてことを風邪っぴき脳内ボンヤリ状態で考えさせられてしまった骨太な一冊。文句なしお薦めしちゃる!の★★★★★満点です。まっ、当然やね。

読了後、氏の他の作品も読みたくなって、「ヒトラーの防具」「逃亡」をAmazonで注文。
こんな時なのよね~、読書の醍醐味を味わう瞬間って。あ~~幸せ
え、風邪? 蕁麻疹? う゛・・・・、それはまあボチボチ。。。(^~^;
(2007年9月2日 読了)
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by marienkind | 2007-09-04 21:07 | 書評