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七月のうさぎ(休止中) marienkind.exblog.jp

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ミリオンダラー・ベイビー(2004年、米)_c0046869_21194582.jpg原題 : MILLION DOLLAR BABY
監督 : クリント・イーストウッド
出演 : クリント・イーストウッド
     ヒラリー・スワンク
     モーガン・フリーマン

   
   この物語は、
   「人と人」とのラブストーリーだ...
   ――クリント・イーストウッド



幸運にも試写会チケットをゲット!公開に先駆けて観て参りました。
以下、強烈なネタバレはありません。(・・・と思う)

まず、私はひどい勘違いをしていたようです。
アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を制した作品であるにも関わらず全くの予備知識なしで臨んだ私。愚かにも、ボクシング界が舞台の典型的サクセスストーリー(「ロッキー」のような)だとばかり思っていたのです。
そんな背景もない訳じゃないですよ。でもね、よくよく考えてみれば監督はあのC.イーストウッド、一筋縄じゃいかないってことくらいわかってたはずなのに・・・。

とにかく、主要陣3人の演技が文句なしに素晴らしかったです。
C.イーストウッドの人間味溢れる演技、そしてM.フリーマンの深みのある役どころがこの映画を支えていると言っても過言じゃないでしょう。セリフひとつ語るだけで涙を誘う・・・これって役者としてすごいことではないでしょうか。
そして、H・スワンク。
正直、この映画を観るまでは「オスカーを獲るほどなの?」という疑問がなかったわけでもないのですよ。だって彼女って絶世の美女というわけでもなし、特別なオーラを放っているわけでもないでしょ?(散々言ってます。ごめんよ)
だけど、彼女は本物でした。
美女やオーラなんて吹き飛ばさんばかりの強い意志を秘めた瞳、そして鍛え上げられた完璧な肉体美。ある意味、C.イーストウッドの枯れた魅力との対極にある彼女の生きた存在感は、この映画になくてはならないものです。

ミリオンダラー・ベイビー(2004年、米)_c0046869_20114187.jpg

「ミリオンダラー・ベイビー」は、例えばC.イーストウッド監督の優しさがそのままスクリーンから滲み出てくるかのような映画です。悲痛な展開も、辛く残酷なシーンでさえも、どこかしら静謐な余韻が残るのはそのためかもしれません。
生きるとはどういうことか、生きていくうえで自分が大切にすべきこととは何か、家族とは、愛とは・・・。そんなことを見つめ直すきっかけが得られる作品だと思います。
イーストウッド監督自ら、その答えを提示することはありません。
マギーの最後の選択、フランキーの悲しい決断を通して、「生きることの意味」を痛烈に問いかけるのみ。その答えは観る側ひとりひとりに委ねられているのでしょう。
(2005.5.23 試写会)

【おまけ】
劇中で、フランキー(C.イーストウッド)が手にする本(W・B・イエーツ原作)を含め、この映画には幾つかのアイルランド・ゲール語が登場します。
アイルランド語学をかじった事がある方はより楽しめること請け合い。
当然、私は意味不明でした。(^^;


【トラックバック】 「ミリオンダラー・ベイビー@映画生活」
# by marienkind | 2005-05-25 20:16 | 映画評

「MASTERキートン」絶版


「MASTERキートン」絶版_c0046869_20372051.jpg・・・だそうです。
「現時点では」と言ったほうが正確かもしれません。
詳しくは、5月26日号の「週刊文春」に掲載。
内容は、以下の通りです。

■人気マンガ「MASTERキートン」が絶版に至った理由
■「MASTERキートン」、他人の横槍で絶版中

確かに「MASTERキートン」には、原作者として「勝鹿北星」の名がクレジットされています。あの傑作エピソードの数々を生み出した作家ということで、個人的にも尊敬の眼差しを向けていたのですが・・・問題は少々複雑なようですね。
ちなみに、この「勝鹿北星」という方、他にも「ラデック・鯨井」「きむらはじめ」などのペンネームを持つ作家で、現在までに「Seed」(ヤングジャンプ・コミックス)や「なんか妖かい」(少年サンデー)などの作品を手掛けて来られたとか。

いずれにしても、「MASTERキートン」が絶版だなんてとんでもない!
そんな問題が浮上していること自体残念でなりません。
とにかく、一日も早い解決を心から望みます。
# by marienkind | 2005-05-24 20:45 | 書評

禁じられた遊び


禁じられた遊び_c0046869_12444949.jpgJEUX INTERDITS
1951年、フランス
監督 : ルネ・クレマン
出演 : ブリジット・フォッセー
     ジョルジュ・プージュリー

1940年6月の南フランス。戦闘機掃射で両親を失った少女ポーレットはやがて少年ミシェルと出会う。少女の心の成長と戦争の悲惨さを、巨匠ルネ・クレマンが情感豊かに訴える。


今日はちょっと古いモノクロ映画から。
私にとって、「禁じられた遊び」はとても思い入れの強い作品です。
「初めて観た映画」であることも理由のひとつに挙げられると思いますが、とにかく当時受けた衝撃の大きかったこと。観た当時7歳くらいでしたから、当然ストーリーの何たら~なんてチンプンカンプンなわけですけど、映画の中の主人公二人に強く共鳴したことだけはハッキリと覚えています。

例えば、あの誰もが涙するラストシーン。
ポーレットがミシェルの名を呼びながら雑踏に消えて行くあのシーンです。
今だったら、ポーレットの行く末を憂いたり、理不尽な大人たちに怒りを憶えたりするのかもしれないけど、あの頃の気持ちってもっとシンプルで、「ひとりぼっち」の現実だけがひどく心細くて悲しかった。おそらく、当時は完璧に「ポーレット」視点で観ていたということでしょうね。

・・・で、数年前に改めて「禁じられた遊び」を観て、映画って観るタイミングとか精神状態に強く左右されるものだなぁ~と痛感してしまいました。だって、あれほど衝撃を受けたはずなのに、うーむ・・・どうにも心に響いてこなかったんですよねぇ。
もちろん、感慨深いシーンは幾つもありましたけど、それはそれ。もうあの頃のような気持ちは取り戻せないんだなぁと思うとちょっと寂しかったですね。
だからこそ、映画を観て寝込みそうなほどショックを受けた当時の自分って懐かしくもあるし、多感な子供の時代この映画に出会えてやっぱり良かったなぁ~ともしみじみ思うわけです。
# by marienkind | 2005-05-23 12:57 | 映画評

<レッサーパンダ>二本足で立って人気 千葉市動物公園(毎日新聞)

レッサーパンダの風太くん_c0046869_13164448.jpg千葉市動物公園(千葉市若葉区)のレッサーパンダ「風太君」(オス、2歳)が二本足で立ち上がる特技で人気を集めている。レッサーパンダが二本足で立ち上がることはたまにはあるが、風太君は10秒以上も立ったままでいられる。


金曜日に放映された「とくダネ」(フジTV)によると、風太くんは今後「二足歩行」にもチャレンジするそうです。
っていうか、“チャレンジさせられる”と言ったほうが正確かな?(^^;

動物公園なのだから動物側も見られてナンボの世界なのだけど、ますます過剰な期待をかけられる風太くんが、何だか可哀相に思えてきました。
少しはそっとしておいてあげたい気もします。

ところで、一瞬 着ぐるみ?と思ったのは私だけじゃないですよね??
# by marienkind | 2005-05-22 00:21 | 気になる話題

「バックマンブックス<4> 死のロングウォーク」 スティーヴン・キング_c0046869_2144315.jpg14歳から16歳の少年100名で行われる死のレース「ロングウォーク」。歩く速度が時速4マイル以下で警告、それが3回を超えると即座に射殺されるという過酷なレース。勝つためには、最後の一人になるまでひたすら歩き続けなければならない。

「ひたすら歩き続ける」行為が常軌を逸していて、読んでいてとても気持ちが悪かった。それに、全体的にショッキングなシーンも多い。が、そこはさすがキング、個々の少年たちのエピソードを丁寧に織り交ぜながら臨場感豊かに描く手法は巧みだと思った。
脱落はそのまま死へ直結する。その現実は残酷だが、少年たちの「生」に対する執着、「死」と向き合う覚悟はいっそ清々しくもある。
頁を捲る手が止まらないレベルで面白いので、キングファンならずとも手に取って頂きたい一冊。
おすすめです。
# by marienkind | 2005-05-20 22:44 | 書評