原題 : MILLION DOLLAR BABY
監督 : クリント・イーストウッド
出演 : クリント・イーストウッド
ヒラリー・スワンク
モーガン・フリーマン
この物語は、
「人と人」とのラブストーリーだ...
――クリント・イーストウッド
幸運にも試写会チケットをゲット!公開に先駆けて観て参りました。
以下、強烈なネタバレはありません。(・・・と思う)
まず、私はひどい勘違いをしていたようです。
アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を制した作品であるにも関わらず全くの予備知識なしで臨んだ私。愚かにも、ボクシング界が舞台の典型的サクセスストーリー(「ロッキー」のような)だとばかり思っていたのです。
そんな背景もない訳じゃないですよ。でもね、よくよく考えてみれば監督はあのC.イーストウッド、一筋縄じゃいかないってことくらいわかってたはずなのに・・・。
とにかく、主要陣3人の演技が文句なしに素晴らしかったです。
C.イーストウッドの人間味溢れる演技、そしてM.フリーマンの深みのある役どころがこの映画を支えていると言っても過言じゃないでしょう。セリフひとつ語るだけで涙を誘う・・・これって役者としてすごいことではないでしょうか。
そして、H・スワンク。
正直、この映画を観るまでは「オスカーを獲るほどなの?」という疑問がなかったわけでもないのですよ。だって彼女って絶世の美女というわけでもなし、特別なオーラを放っているわけでもないでしょ?(散々言ってます。ごめんよ)
だけど、彼女は本物でした。
美女やオーラなんて吹き飛ばさんばかりの強い意志を秘めた瞳、そして鍛え上げられた完璧な肉体美。ある意味、C.イーストウッドの枯れた魅力との対極にある彼女の生きた存在感は、この映画になくてはならないものです。
「ミリオンダラー・ベイビー」は、例えばC.イーストウッド監督の優しさがそのままスクリーンから滲み出てくるかのような映画です。悲痛な展開も、辛く残酷なシーンでさえも、どこかしら静謐な余韻が残るのはそのためかもしれません。
生きるとはどういうことか、生きていくうえで自分が大切にすべきこととは何か、家族とは、愛とは・・・。そんなことを見つめ直すきっかけが得られる作品だと思います。
イーストウッド監督自ら、その答えを提示することはありません。
マギーの最後の選択、フランキーの悲しい決断を通して、「生きることの意味」を痛烈に問いかけるのみ。その答えは観る側ひとりひとりに委ねられているのでしょう。
(2005.5.23 試写会)
【おまけ】
劇中で、フランキー(C.イーストウッド)が手にする本(W・B・イエーツ原作)を含め、この映画には幾つかのアイルランド・ゲール語が登場します。
アイルランド語学をかじった事がある方はより楽しめること請け合い。
当然、私は意味不明でした。(^^;
【トラックバック】 「ミリオンダラー・ベイビー@映画生活」
監督 : クリント・イーストウッド
出演 : クリント・イーストウッド
ヒラリー・スワンク
モーガン・フリーマン
この物語は、
「人と人」とのラブストーリーだ...
――クリント・イーストウッド
幸運にも試写会チケットをゲット!公開に先駆けて観て参りました。
以下、強烈なネタバレはありません。(・・・と思う)
まず、私はひどい勘違いをしていたようです。
アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞を制した作品であるにも関わらず全くの予備知識なしで臨んだ私。愚かにも、ボクシング界が舞台の典型的サクセスストーリー(「ロッキー」のような)だとばかり思っていたのです。
そんな背景もない訳じゃないですよ。でもね、よくよく考えてみれば監督はあのC.イーストウッド、一筋縄じゃいかないってことくらいわかってたはずなのに・・・。
とにかく、主要陣3人の演技が文句なしに素晴らしかったです。
C.イーストウッドの人間味溢れる演技、そしてM.フリーマンの深みのある役どころがこの映画を支えていると言っても過言じゃないでしょう。セリフひとつ語るだけで涙を誘う・・・これって役者としてすごいことではないでしょうか。
そして、H・スワンク。
正直、この映画を観るまでは「オスカーを獲るほどなの?」という疑問がなかったわけでもないのですよ。だって彼女って絶世の美女というわけでもなし、特別なオーラを放っているわけでもないでしょ?(散々言ってます。ごめんよ)
だけど、彼女は本物でした。
美女やオーラなんて吹き飛ばさんばかりの強い意志を秘めた瞳、そして鍛え上げられた完璧な肉体美。ある意味、C.イーストウッドの枯れた魅力との対極にある彼女の生きた存在感は、この映画になくてはならないものです。
「ミリオンダラー・ベイビー」は、例えばC.イーストウッド監督の優しさがそのままスクリーンから滲み出てくるかのような映画です。悲痛な展開も、辛く残酷なシーンでさえも、どこかしら静謐な余韻が残るのはそのためかもしれません。
生きるとはどういうことか、生きていくうえで自分が大切にすべきこととは何か、家族とは、愛とは・・・。そんなことを見つめ直すきっかけが得られる作品だと思います。
イーストウッド監督自ら、その答えを提示することはありません。
マギーの最後の選択、フランキーの悲しい決断を通して、「生きることの意味」を痛烈に問いかけるのみ。その答えは観る側ひとりひとりに委ねられているのでしょう。
(2005.5.23 試写会)
【おまけ】
劇中で、フランキー(C.イーストウッド)が手にする本(W・B・イエーツ原作)を含め、この映画には幾つかのアイルランド・ゲール語が登場します。
アイルランド語学をかじった事がある方はより楽しめること請け合い。
当然、私は意味不明でした。(^^;
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